Cuypers Johannes Theodorus
Netherlands / Hage

カイパースは「オランダのストラド」と呼ばれる重要な製作者ファミリーです。

その祖であるヨハネス・テオドアは1724年にドイツのドルニック(Dornick オランダとの国境近く)に生まれます。

1750年頃にハーグに移り住み、ハーグで活動したジェン・ワッター(Jean Joseph Wattier c.1724-1755)、もしくはブリュッセルで活動したヨゼフ・ブッス(Joseph Boussu fl.c.1749-1780)から弦楽器製作を学んだと考えられます。

初期のカイパースは非常にエレガントな作りで、1760年頃のルイ・ゲルサン(Luis Guersan b.c.1713-1781?)や、1750年頃のブッスのスタイルと親和性を感じさせます。

その後カイパースは、それまでのハーグのヴァイオリン製作者とは違ったスタイルで弦楽器を製作しました。

ストラディバリを連想させるフラットなアーチングを採用し、やや離れたF字孔、スクロールは伸びた楕円形で背彫りは浅めです。

地元で採れた材料を使い、表板には一枚板を好んで使いました。(息子達も同様に)

多産する為に乾燥しやすいニスを採用したと考えられ、ゴールデンイエローのシェラックのような質感のニスを塗りました。

内部には手書きのラベルを貼っています。

ヨハネス・テオドアにはベルナルド(Johannes Bernardus Cuypers 1781-1840)とフランシス(Johannes Franciscus Cuypers 1766-1828)の二人の息子がおり、父親の仕事を生涯支えました。

17世紀のヤコブス(Hendrik Jacobs 1629-1699)から18世紀のカイパースへと、多数の優秀なヴァイオリン製作者がオランダで生まれました。

引用《 The Brompton’s Book of Violin and Bow Makers 》《 400years Violinmaking in the Netherlands 》

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