Capicchioni Marino
Italy / Rimini

1895年 サンマリノ(San Marino)に生まれる。

若い頃は大工や樽作りの職人として働いていました。19歳の時にギターを製作し、フランスのギター工場で一年間働きます。

その後イタリアに戻り、様々な地域のヴァイオリン製作者からアドバイスを受けながら自身のヴァイオリン製作を始めます。

1929年にリミニ(Rimini)に移り住み、生涯暮らしました。

マリノはパドヴァ、アスコリ、ローマ、クレモナの博覧会で数多くの賞を受賞します。

20代から30代頃は技術的に優れるもののオリジナリティに欠けていましたが、40代から徐々に自身のスタイルを獲得していき、50代には完全に成熟したスタイルの楽器を作り出します。

マリノの仕事は非常に個性的で、古典的なモデルのみならず、“タ―ティス・モデル”などからも触発を受けて製作を行いました。

※「Tertis Model」イギリスのヴィオリスト、ライオネル・タ―ティス(Lionel Tertis 1876-1975)が発案したワイドボディーのヴィオラ。

1960年以降は主にデル・ジェス型で製作を行いました。

1950年代以降の材料は非常に優れており、強いトラ杢の入った裏板と、中程度の整った年輪の表板を使用する事で、楽器の印象をさらに引き立てています。

パーフリングから立ち上がる張りのあるアーチングで、コーナーエッジやスクロールの角は”年数を経た”様に美しく丸めらており、軽いグラデーションを付けたニスが楽器に「摩耗」した印象を与えています。

音響的にも優れており、メニューイン(Yehudi Menuhin 1916-1999)やオイストラフ(David Oistrakh 1908-1974)など著名なヴァイオリニストに使用されました。

息子のマリオ(Mario Capicchioni 1926-1977)もヴァイオリン製作者となり、マリノのスタイルを受け継ぎました。

1977年(82歳) リミニで死去。

引用《 The Brompton’s Book of Violin and Bow Makers 》《 Liuteria Italiana I 》

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