Stainer Jacob
Germany / Absam

ヤコブ・スタイナーはドイツを代表するヴィオリン製作者です。

1617年頃にアブサム(オーストリアのインスブルック)で生まれました。出生は謎に包まれていますが、一家は鉱山労働者でした。

おそらくスタイナーは1634-40年頃にアブサムのオルガン作りダニエル・ヘルツ(Daniel Hertz)、もしくは建具師のハンス・グラフィンガー (Hans Grafinger)の下で木工を学びます。

その後スタイナーは1644-48年の間に、ザルツブルク、ヴェネチア、ローマまで広く旅をしています。もしかするとこの時期にアマティの楽器に触れる機会があったかもしれません。

1656年にはアブサムで領主から家を与えられています。この頃にはスペインやイタリアなど各地に楽器を納入していました。

しかし、宗教思想の対立によって4ヵ月間も投獄され体調を崩しまい、楽器作りもままならず、1683年(66歳)に貧困の中で亡くなります。

スタイナーの死後、彼の楽器は人気を博し、当時の記録ではストラディバリの楽器よりも圧倒的にスタイナーの楽器が高額で取引されています。

その後、「スタイナー型」呼ばれるモデルは、ドイツに留まらずイギリスやフランス、イタリアの製作家にも強い影響を及ぼし、多くの製作家に取り入れられるモデルとなりました。

ストラディバリとは違ったその甘美な音色が現在でも非常に人気があります。

引用《 The Brompton’s Book of Violin and Bow Makers 》

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